うちのお父さん的なアルツハイマー型認知症 徘徊の巻
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アルツハイマー型認知症でも
うちの父は、アルツハイマー型認知症を発症してからも、道を間違えたりすることなく、例えば見知らぬ外出先でトイレに行っても、必ず戻って来れていました。
それについては、お医者さんも「ちゃんと戻って来れるんですねぇ。」と驚かれるほど。
アルツハイマー型認知症の症状というのは、人によって症状のあらわれ方に違いがあるといいますが、元来空間の認識能力が高かったのか、そういう部分に脳の異常が及んでいないだけなのか、とにかく父は徘徊についての不安が最近までなく(およそ10年間)、家族としては非常に助かりました。
ところが父が帰って来ない!
ですがそんな父が、今年の6月27日に散歩に出かけたきり戻ってこないという事件が発生しました。いつものように「散歩に行ってくる」と言って家を出たのですが、母がそろそろご飯なのに戻らないことで不審に思い、父には携帯を持たせていましたので、電話をかけてみました。ですが耳が遠くなってきているので、電話には出ません。GPS機能を使って父の居場所を探してみると、徒歩ではかなり歩かないと行けないようなところに反応が!?
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母はあわてて車で、父がいるという場所を目指して向かいました。ところがGPSってカーナビと同じで、場所がざっくりしてるんですね。
そのため、徒歩で進める道を一人ですたすた歩く父を、車を運転しながらの母では見つけることが困難です。結局2時間近く探し回り、仕方なく私に電話をかけてきてくれました。
1人でどうにかしようと思わないで!
認知症のお年寄りの徘徊が始まると、家族は「恥」という気持ちや、周りの人に迷惑をかけてはならないという気持ちから、自分(や身内)の力だけでなんとか見つけなくてはと考えることが多いです。
私の母も同じでした。母から連絡をもらった時、私は母にすぐ近くの警察へ行って探してもらうよう、提案しました。そうして母は警察へ行き、事情を話し、GPSの位置情報も提供すると、あれだけ時間をかけても見つからなかったのに、あっという間に父が見つかりました。
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警察に行くなんて、なんだか大ごとになりそうと感じてしまいがちですが、母に警察の方が言われたのは、探している家族が交通事故にあってもいけないし、父が事故にあったり、体調不良に陥ってもいけないから、今度からすぐに連絡してほしいとのことでした。
私も2時間近くも、ぐるぐる車で運転しながら父をさがしている間に、母が事故しなくて良かったという気持ちでいっぱいでした。
あるデーターでは5日間行方不明になってしまうと、その後の生存確率は0%になってしまうとのことでした。夏ですと熱中症も心配ですし、冬だと寒さが心配です。それ以外にも、事故や何らかのトラブルに巻き込まれることだってあります。
とにかく周りに助けを求めて、一番は少しでも早く発見してあげることだと考えましょう。
徘徊をさせないことはできるのか?
徘徊をさせないために、家の中にお年寄りを閉じ込めておけるかと言えば、答えはNOだと思います。父もよく自分が生まれ育った実家へ「連れて行ってくれ」とか、「家に帰る」というようなことを言います。
認知症が進んでくると、自分の居る場所がどこなのかということに関して、見当違いを起こします。なので家にいるのに、家に帰りたいと思ったり、仕事へ行かなければ(もうとっくに退職しているのに)と思ったりして、外出しようとするのです。目的をもって動くので、信じられないほどの速さで行動できます。私たちから見るとおかしなことを言っていても、本人は大真面目。きちんと目的を持って外出する必要があるのです。
そういうわけで外出してしまうわけですが、途中で目的を忘れてしまい、家へ戻れなくなって、徘徊と周囲からは言われる形になってしまいます。途中で目的を忘れても、また新たな目的を思いつき、それに向かって動き出すことが続くと、どんどん遠くへいってしまうというようなことも。
もし可能であれば、最初外出しようとした時にしばらく付き合ってやると、目的を忘れてしまい、すんなり一緒に帰れたり、違う目的を持たせることに成功することもあります。
またデイサービスのような場所へ出かけることは、目的をすり変えたり、家にじっといるストレスを解消できる場合もあります。デイサービスへ行って疲れるとゆっくりしたくなりますしね。
徘徊をさせないためには、認知症のお年寄りの気持ちを否定し、制限するよりも、ある程度尊重し、目的を満たしてあげたり、お世話する人の楽になるような目的にチェンジさせることのほうが現実的だと言えるでしょう。
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2018.12.8追記
6月に父の徘徊を初めて経験したわけなのですが、しばらく問題なく過ごしていたのですが、ちょうど本日また再び徘徊が起こりました。
今回もやはり夕方、いつものお散歩の時間です。前回の教訓から、GPSで父の居場所を確認すると、比較的前回より自宅から近かったので、車ではなく徒歩で探しに出かけたこと。母が探しに出かけたのですが、途中父と遭遇しなかったため、すぐに交番へ助けを求めに行きました。
今回もGPSは大変役に立ち、警察のおかげで父は無事発見することができました。前回と違うのは季節が冬であったこと。
熱中症等の心配はなかったのですが、発見当時、父はどこかの溝に落ちてしまったのか、下半身が水でぐっしょり濡れており、おでこや膝から下などが少し赤くなっていたので、若干負傷していました。
警察の方が、念のため救急車を呼んで下さり、病院で点滴を打ってもらって帰宅することができました。
認知症のお年寄りの徘徊が起きた場合、GPSで居場所を確認できる携帯は非常に役に立ちます。ですが携帯の充電が切れてしまうと意味がありませんので、日ごろから電地の残量には気をつけておきましょう。またきちんと携帯させるようにしましょう。
それから、やはり素人が探すより、警察の方に助けを求めるのが正解だと思います。そうしないと、もし父のように溝に落ちたりといった事故が起きていた場合、一刻も早く発見しないと、大変なことになる場合が十分に考えられるからです。
今回も特に問題もなく発見してもらえて良かったです。皆さんもぜひお年寄りの徘徊が起きたときは、周りの人を頼って、早く見つけてあげてくださいね。
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