ヨーイヤサー!は色んな意味で深い言葉って知っていましたか?
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秋の空に響き渡る掛け声
「灘のけんか祭り」の行われる兵庫県姫路市では、秋になると村の中が祭りのムード一色になります。ある意味正月より、ずっと村の人々の心を掻き立てる行事です。
と言っても、私自身がこの祭りを身近に感じるようになったのは、ここ10年弱のこと。
それまでは「灘」とは、てっきり同じ兵庫県でも神戸方面のことと勘違いしていたほどでした。
灘のけんか祭りが行われるのは、兵庫県姫路市でも白浜町にある神社、松原八幡宮を中心にした地域になります。最近では日本人だけでなく、たくさんの外国人観光客も訪れ、テレビでも毎年ニュースで報じられるほど、有名なお祭りの一つです。
けんか祭りでは、さまざまな掛け声が秋空に響き渡ります。中でも有名なのが「ヨーイヤサー!」の掛け声。
この「ヨーイヤサー!」は、小さな子供から大人まで、本当に楽しそうに口ずさまれています。幼稚園や小学校、中学校でも運動会やその他の行事に必ず登場するほどの、ひとつの文化となっています。
母のつぶやきと「よいやさ」の意味
ところで先日、娘の中学校の運動会でも、この「ヨーイヤサー!」の掛け声が響き渡る演目が披露される機会があったのですが、その時、私の母がこのように話していました。
「ヨーイヤサー!には、キリスト教に関係するヘブル語(ヘブライ語やヒブル語とも言われる)で、きちんとした意味があるんやで。」
私の母は、若いころからプロテスタントで、熱心なキリスト教信者です。中学校の先生が着られていた「世弥栄(よいやさ)」と書かれたTシャツを見てのことでした。
「世弥栄」の「弥栄」は、通常「いやさか」と読まれます。「いやさか」というのは、「ますます栄える」「いよいよ栄える」といった意味で、繁栄を願う気持ちが込められています。
「よいやさ」についても同じ意味合いがあると言われています。
ちなみに灘のけんか祭りで有名な掛け声には、他にも「エーンヤー ヨッソイ!」というのがあるのですが、この「エーンヤー」には、「延々に」とか「いつまでも」といった意味があり、「ヨッソイ」には「栄える」という意味があると聞きました。
日本語とヘブル語(ヘブライ語・ヒブル語)
ところで母が言っていたヘブル語でいう「ヨーイヤサー!」の意味を調べてみて驚きました。
ヘブル語で「ヨ」とは、「神」を意味します。そして「イヤサー」に当たる言葉が、ヘブル語では「ヤッシャー」または「イエシュー」と発音し、「救い」を意味します。すなわち「神が助けて下さる!」という意味合いがあるようなのです。
「ヨーイヤサー!」というのは、祭りの中では、大きな屋台を担いで進むときの掛け声です。
ちなみにこの「ヨーイヤサー!」の前に「サー!」がつくときがあり、「サー!ヨイヤサ!ヨイヤサ!ヨイヤーセ!アラヨッソイ!」なんて掛け声を聞きます。この掛け声の中の「サー!」は、ヘブル語では「前に進め(行け・やれ)」という意味があります。なので「サー!ヨイヤサ!」には「行け!神が助けて下さる!」という意味が当てはまるのです。
なぜ母が「ヨーイヤサー!」に反応したのか
しかし70を過ぎた母が、遠い異国の地の言葉、「ヘブル語に…」なんて言い出すとは思いもせず、正直驚きました。でも少し調べてみると、なるほど納得です。
へブル語というのは、現代でもイスラエルやパレスチナの人たちが使っている言葉で、古代ヘブライ語は、古代のパレスチナに住んでいたユダヤ人が使っていた言葉と言われていて、「聖なる言葉」「神の言語」として、キリスト教には非常にゆかりの深い言語になります。
そのためキリスト教では、ときおりこのような日本語の中に、ヘブル語から由来したと思われる言葉があることも踏まえ、身近にとらえられている所があるのでしょう。
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日本語とヘブル語には共通点が多すぎる!
ヨーイヤサーの意味を調べる過程で、ヘブル語に出会ったわけなのですが、実はこのヘブル語、日本語の意味と共通するものが、ものすごく多いというのです。さらにはカタカナとヘブライ語の形もかなり似ているのです。
このことは「大和民族はユダヤ人だった」という本を書いた、ユダヤ人言語学者のヨセフ・アイデルバーグさんも指摘していて、日本語ほどヘブル語起源の言葉が多数ある国は、他にないと言います。
ちなみに日本語は、どの言語にも関連がない「孤語言語」とされています。それにもかかわらずヘブル語と似た単語は3000語以上あるというのです。例えば…
日本語の「ヌシ(主)」とヘブル語の「ヌシ(長)」
日本語の「サムライ(侍)」とヘブル語の「シャムライ(守る者)」
日本語の「ダメ(駄目)」とヘブル語の「ダメ(ダメ・汚れている)」
日本語の「アキナウ(商う)」とヘブル語の「アキナフ(買う)」
日本語の「アリガトウ(有難う)」とヘブル語の「アリ・ガド(私にとって幸福です)」
日本語の「ニオイ(匂い)」ヘブル語の「ニホヒ(匂い)」
というように、他にも「ツモル(積もる)」「スワル(座る)」「ハカル(測る)」「カク(書く)」
「トル(取る)」「ニクム(憎む)」「コマル(困る)」「スム(住む)」「ヤケド(火傷)」など読みも意味も全く同じものも他にもたくさんあります。
聖書にちなんだ日本の文化
その昔から、日本は仏教が主だったイメージがありませんか?私たちは歴史の勉強の中でも、蘇我氏が聖徳太子の力を借りながらも、仏教を普及させるのと比例するように勢力を伸ばした時代があったことを習いました。
ですがそれ以前の日本では、八百万の神々といって、神道が主流だったわけです。ちなみに仏教は中国からもたらされた外国の宗教で、昔から信じられてきた神道を重んじる物部氏と、仏教を広めようとする蘇我氏の間にも戦いがありました。
戦いに蘇我氏が勝利し、仏教がぐんぐん広がっていったのですが、蘇我入鹿の時代に次期天皇候補として有力であった、聖徳太子の子である山背大兄皇子を、入鹿が殺害したことなどが積もり積もって、大化の改新により中大兄皇子らに滅ぼされる方向へと歴史が動きました。
入鹿が殺されたことを嘆いた父、蘇我蝦夷は自ら火を放ち自害し、蘇我氏は滅びることとなりました。その時の火事で焼けてしまった中に、聖徳太子らが編纂した『天皇記』『国記』などがありました。これらにはおそらく、それまでの日本の歴史が詳しく書かれていたことでしょう。ですがそれが失われ、今や仏教伝来以前の本当のことは、ほとんどわからなくなってしまいました。
ですが日本には現代にも残る、神道の流れをくむ文化が残っています。例えば「鳥居」「おみこし」「三種の神器」「風呂の習慣」「山伏の額につける箱型の帽子」「山伏の持つほら貝」などです。これらは実は、旧約聖書に出てくる古代の文化や物語と非常によく似ています。
それに日本の皇室の紋章である「菊の紋」とまったく同じ紋章が、古代イスラエル神殿の壁にも残っていたり、また伊勢神宮の灯籠には、ユダヤ人の印である「ダビデの星」が刻まれていたりするのです。
ヘブル語が日本語と似ていたり、文化までイスラエルの古代文化と似ていたりするのは、いったいどうしてなのでしょうか?
古代イスラエルの10部族の謎
古代イスラエルには、その昔12の部族がありました。しかし紀元前700年ごろ、アッシリヤ帝国により滅ぼされた時、ユダ族とベニヤミン族は現在のユダヤ人となりましたが、あとの10部族は行方不明となりました。
一説にはその時逃れた人々のうち、中南米に逃れたマヤ人のように、世界のあらゆる地域に逃れていった人々が、各地で古代イスラエルの言語や文化、そして旧約聖書の内容を伝えていると言われ、その中の1つに日本があげられるというのです。
理由は、言語や文化の類似性と、日本の起源の時期とイスラエル10部族の行方不明になった時期がほぼ重なるというところです。
本当の所がわからないだけに興味深い
蘇我蝦夷によって消失された書物の中に、もしかすると古代日本の人たちの先祖のお話などもあったかもしれませんね。
そして行方不明となったイスラエル10部族のうちのいくらかの人たちが、日本人と交わり、現代の日本人のルーツとなっているとしたら…なんて考えると、歴史好きにはたまらなくわくわくしてきます。
母のひと言による「ヨーイヤサー!」の語源調べから始まったわけですが、より深い歴史があるかも知れないと思うと、今年の祭りはまた違った趣きを感じられそうですね。
灘のけんか祭りは、とても見ごたえのあるお祭りです。毎年10月14日・15日に開催されます。興味のある方は、ぜひ一度お越しになってご覧ください!
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