ようこそ!毎年庭に現れる優雅な黒いトンボ
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我が家の庭には毎年お客様がやって来る!
毎年この時期(6月中旬~7月)になると、我が家の庭では、黒いトンボが姿を見せます。
トンボと言っても、速く激しく翅(はね)をホバリングして飛ぶタイプのトンボではなく、飛ぶ様子はまるでチョウチョの様に、ひらひらと優雅に飛び回ります。
姿も、翅に斑紋(はんもん)と言われるような、まだらの模様などはなく真っ黒で、しっぽまで真っ黒。
体長はだいたい5.5~6.5センチくらいでしょうか。庭木に留まると4枚の翅を重ねて立てた状態で閉じています。
ハグロトンボ(羽黒蜻蛉)という種類
毎年我が家にやって来る、この黒いトンボを調べてみると、ハグロトンボ(羽黒蜻蛉)という名前だとわかりました。カワトンボと言われるトンボの仲間で、「ホソホソトンボ」「オハグロトンボ」「カミサマトンボ」などとも呼ばれています。
カワトンボといわれる種類のトンボは、よく似たものが多いのですが、ハグロトンボは翅が黒いので見分けやすく、成虫は5月~10月頃まで見られ、特に7月~8月に多く見られます。
どちらも翅は黒いのですが、オスとメスの違いは、雄は腹からしっぽにかけて、メタリックグリーン色をしていて、雌は全体的に真っ黒い色をしています。
カワトンボの種類は、6月~7月頃に羽化すると、水辺から離れて林などの木々が茂るような薄暗いところで生活します。成熟すると再び水辺に縄張りを作って過ごします。
パートナーを見つけ、雌が川べりの水中植物に産卵をします。やがて生まれてきた幼虫は1年かけて成長し、翌年成虫になると言われています。ハグロトンボも他のトンボ同様、小さな昆虫(蚊や蛾など)を食べます。
一時は生息出来る場所が激減したことにより数が減っていたそうで、東京では絶滅危惧Ⅰ類、青森では絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。ですが最近は下水道の整備も整い、人間の意識も向上してきたことにより環境も改善され、数も復活しつつあるそうです。
そんなハグロトンボにとっては、なかなか厳しい状況の中、我が家には何年も前から、毎年夏になると何故だか一対だけ姿をみせてくれていたと思うと、何だか座敷童や神様を見るような気分にさせてくれます。
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日本では縁起の良い昆虫であるトンボ
私が、トンボに何か神々しいものを感じるにも、あながち間違ってはいないようです。
なぜなら古来日本では、トンボは縁起のいい虫として考えられてきました。トンボが前にしか進まず、素早く飛び回り害虫を捕食するという勇ましい姿を見て、昔の日本人は「勝ち虫」と呼び、甲冑や武具、衣装に使用してきました。
またハグロトンボがよく現れるのは、お盆の時期なので、亡くなったご先祖様の魂が姿を変えて来てくれたと考え、神聖な昆虫とされてきたのです。
また一説には、田んぼに現れ害虫を捕食して食べてくれるトンボは、百姓にとってはありがたい昆虫です。田んぼの神様と考えられ、ハグロトンボにおいてはカミサマトンボと呼ばれるに至りました。
所変わって外国では…
西洋などの外国では、トンボはdragonfly(ドラゴンフライ)と言います。ドラゴンは日本でいう竜ですが、日本とは認識が違います。
日本では竜というと、神聖な生き物という風に認識される方が多いと思いますが、西洋では竜とは邪悪な悪魔的存在を指し、そのためトンボも魔女の使いやら悪魔やらとされ、どちらかと言えば嫌われ者的な扱いなんだとか。
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有名な鉛筆の会社TOMBOW
これはトンボつながりの、ちょっと雑学なのですが、(株)トンボ鉛筆はみなさんご存知でしょう。
この会社の名前に使われているトンボの由来を調べてみると、トンボの古い呼び名が「秋津(あきつ)」と言うこと、そして日本の古い歴史書である「古事記」や「日本書紀」に書かれている、日本の古い呼び名が「秋津島」と呼ばれていたことにより、トンボ鉛筆は日本を代表する鉛筆であるということを表明しているのだそうです。
1927年からトンボ鉛筆というブランドで商品マークに採用され、現在まで続いています。
ちなみに創業当時に刻印されていたトンボは、下向きに描かれていました。これはお客様に頭を下げるという商いの姿勢を表したものでした。
20013年から操業100周年を機に、トンボのマークは上向きに描かれるようになりましたが、これにもきちんと意味があります。更なる発展をというチャレンジ精神を表しているのだそうです。
描かれる向きは変わりましたが、トンボ鉛筆に描かれたトンボの翅は、「∞(無限大)」を表していて、無限の領域へ・無限の成長を遂げるという思いが込められていると言います。
トンボのマークの他「TOMBOW」という文字がロゴとして使われていますが、これは本来トンボは「TOMBO」と書くのですが、このつづりが英語では「お墓」を意味する「TOMB」と混同されないように、「W」を足して「TOMBOW」と創業者小川春之助さんがこだわられたそうです。
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ハグロトンボの知識が増えてより親しみ深く
調べるまで我が家では誰も正式な名前を知りませんでしたが、ハグロトンボを調べたことで、その他のトンボの面白い雑学も増えました。
我が家の裏にある小さな川が縁で、毎年我が家の庭にやって来る一対のハグロトンボ。
どうして毎年我が家に来てくれるのかはわかりませんが、今年は何だか神の使いとして手を合わしたいような気分にさせられました。
(お時間があれば、こちらもいかがですか?)
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