不思議!時の流れの感じ方
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1年は長い?短い?
新しい年を迎え、もう1か月が過ぎました。もうじき子供もまた1学年進級します。
ところで、私自身は去年1年間を振り返って、「あっという間だったなぁ」と思ったのですが、子供に聞くと、「結構長かったで~」と言うのです。
大人と子供の時の流れの感じ方には違いがあるのでしょうか?
確かに子供の頃、特に小学生時代などは、私自身も長かったように記憶しています。だって同じ6年間が今ではあっという間に感じます。
今回は、時の流れの感じ方について調べてみました。
心的時計と物理的時計
私たちが「時」というものを感じる時には、二つの「時計」で測っています。
1つは、私たちが心の中で感覚としてとらえている「心的時計」で、もう一つが実際の時計で確認している「物理的時計」です。
心的時計が物理的時計よりも速く感じていれば、実際より時の流れの感じ方は遅くなりますし、心的時計が物理的時計よりも遅く感じていれば、実際の時の流れの感じ方は速くなります。
おもしろい実験結果があります。4歳から82歳までの約3500人を対象に、自分が3分と感じたところでボタンを押して、実際の時計で測った3分と比べるというものです。
結果は、年齢が高くなるほど、ボタンを押す時間が遅くなり、実際の3分より長くなるというものでした。つまり年齢が高くなるほど、実際の3分を短く感じているということです。
心的時計の刻む速度が物理的時計よりゆっくりになるということは、時の流れを速く感じるということです。大人になるにつれて、心的時計を刻む速度がゆっくりになっていくということになりますね。
では、いったいどうしてこのようなことが起きるのでしょうか?これにはいくつか仮説があります。
「ジャネーの法則」
フランスの哲学者ポール・ジャネーと、その甥ピエール・ジャネーは、「感じられる時間の長さは、年齢と反比例的な関係にある」という仮説をたてています。
これは同じ1年というものを考える時、10歳の子供なら人生の10分の1、60歳の大人なら60分の1と考えると、年齢に対する比が小さいほど時間が短く感じられるので、年齢を重ねるほど、時間を短く感じるというものです。
(※時間を研究している学者の中では、この説は否定的なようです。)
「代謝説」
身体で代謝が活発に行われているほど、心的時計は速く進み、実際の時間は長く感じるという説です。
例えば、風邪をひいて熱があるような時、体は風邪を治そうと代謝を高めます。熱のせいでなかなか寝付けなくて、なんども寝返りをうち、「早く寝ないと夜が明けてしまう」と時計を見ると、まだ案外1時間くらいしか経ってなかったなんてことありませんか?
反対に疲れや寝不足で代謝が落ちている時、目が覚めると「えっ?!もうこんな時間?さっき寝たばかりなのに…。」なんてことも。
「加齢と経験や新鮮度によるもの」
年齢を重ねるごとに、人は動きや判断など、全てがゆっくりになっていきます。これは心的時計も同じです。心的時計が物理的時計よりもゆっくり進むということは、実際の時の流れの感じ方としては、あっという間に過ぎてしまったように感じることになります。
また大人になると、毎日することがルーチンワーク化されていて、経験に基づいて行動しているので、新しい発見に出会うことは少なくなります。
ですが子供はどうでしょう?学生時代は、待ち遠しい行事も多くありますし、今まさに経験を積むときであって、出会うこと全てが新鮮です。そうなると心的時計はあれよあれよと速く刻みますので、物理的時計より速く進みます。ということは実際の時の流れの感じ方としては、長く感じるということです。
他にもこんな経験ありませんか?
アルバイトでお客さんの来ない暇な日や、嫌いな授業を受けている時に、「長いなぁ~」と感じるのに、仲の良い友達とのおしゃべりの時間や大好きな趣味の時間は、あっという間という経験、ありますよね?
実際の時間が長いと感じる時、退屈なので何度も時計を確認したり、あれこれと別のことを考えたり、心的時計は速く進みます。いやそう願っています。そうすると物理的時計より心的時計が速く進んでいるので、実際の感覚としては「長いなぁ~」となるのです。
反対に楽しいことをしている時は、その行為に集中しています。そのような時は心的時計はゆっくりと進みます。いやそう願っています。そうすると物理的時計より心的時計が遅く進んでいるので、時計を確認した時に、「もうこんな時間!?」となるわけです。
年齢を重ねるごとに時間を大切に!
毎日いろんなことにときめいて、新しい発見を求める生き方を続けている人は、毎日が充実しており、同じ年齢の人でも心的時計の刻み方は違います。
ですが現実には、年齢を重ねるごとに経験は増えるので、そううまくもいきません。
年齢と共に心的時計の刻み方は確実にゆっくりになるので、1年どころか5年・10年あっと言う間です。内向的にならず、積極的にいろんなことに挑戦し、時間を大切に過ごしていきたいものですね!
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