記憶をなくすほど酔っぱらっても、きちんと帰宅できるのな~ぜだ?
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お父さん、酔っ払ってもきちんと帰宅の巻
今日は記憶のお話の第3弾。
お酒の席で酔っ払っても、いつもなんとか帰宅していた若き日の私のお父さんのお話です。
うちのお父さん、目次で少し触れているのですが、今はアルツハイマー病を患っていますが。
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若いころはお酒が好きで、よく仕事の帰りに一杯(?)引っかけて帰っていました。
しかしお父さん、お酒に弱いのか、いつもかなり酔っ払っていて、お酒に関するたくさんのエピソードがあります。
夜中に「ピンポ~ン!」と玄関のベルが鳴ったので出てみると、タクシーの運転手さんが困っています。
「行先聞いても『どこでしょう?』とか言って教えてくれないし、やっと着いても降りてくれないし。」と運転手さん。
「あらっ!それはそれは、本当にご迷惑をおかけしました」と、お母さんと一緒に、開いたタクシーのドアをのぞき込んでみると、靴を脱いで正座で座っているお父さんが一言。
「よぉっ!」
「『よぉっ!』じゃないやろ!!」
こんなやりとりが他にもいろいろ!(また他のエピソードは機会があれば。)
しかし色んな事がありましたが、たいていは家にたどり着くんですよね。不思議でした。
お酒に弱い脳の3兄弟
脳の中で、お酒の影響を強く受けるのが、前頭葉・小脳・海馬の3兄弟です。
前頭葉は、「理性のガードマン」なんて呼ばれていて、お酒が入ってない場合は、思考や理性の制御を役割としています。
ところが、みなさんも経験がないでしょうか?お酒が進むうちに、普段では言わない下ネタを話し出したり、秘密の暴露をしてしまったり、ようは「ここだけの話ね」的な話題が多くなったことは?
これは全て前頭葉がお酒の影響を受けている証拠なんだと言われています。
そしてそのうちもっとお酒が回ってくると、ろれつが回らなくなったり、千鳥足になったり、上手にスマホの画面を操れなくなったり…こんな症状は、小脳が影響を受けている証拠です。
通常、話をしたり歩いたりというような運動に関しては、小脳が体のバランスをとっています。
そしていよいよ、お父さんもよくありました!全く覚えてない系は、海馬が働かなくなってしまった証拠です。海馬は記憶の仕分けを行い、長期記憶と短期記憶に分けてくれる働きをしてくれています。
(関連記事)記憶力に良い悪いがあるのはどうして?脳の不思議
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ところがお酒の影響を受けて海馬が働かなくなると、長期記憶は残せなくなってしまいます。そのため、お酒の席でのことは覚えていないということが発生してしまうのです。
ちなみに、翌朝には全く覚えていなくても、お酒の席できちんと相手と話したり、その場のやり取りが出来るのは海馬の影響で、長期記憶は使えませんが、短期記憶の機能を使うことは出来ているからなんだそうで、そのため一応には相手とやり取りが出来るという事なんですね。
記憶は無くなるのに帰宅できるのはどうして?
では酔っ払って、前の日のことは全く覚えていないほどの酩酊状態でも、家に帰ってこれるのは、どうしてなんでしょう?
電車に乗る人なら、きちんと切符を買ったり、正しい方面の列車に乗車したり。不思議ですよね?
これは、「手続き記憶」とか「エピソード記憶(長期記憶)」によるものだと言われています。
なんども繰り返し覚えた方法や、体で覚えた記憶は、きちんと定着していて簡単には忘れません。
例えば、幼い日に覚えた自転車も、たとえ長い間乗らなくても、大人になってからでも乗れますよね。
お酒はほどほどに…
なんとか家に帰れる体の状態であれば、記憶を頼りに帰って来れるということです。ですが、やはり自分がわからなくなるほど酔っぱらうというのは、良くないことが多いようですよ。
酔っ払いの状態の方の脳を、MRIで調べてみると、脳が正常時と比べて委縮していることが多いと言います。私のお父さんのような、アルツハイマー病の人の脳の萎縮とはかなり所見が違うようで、認知症を引き起こすというところまではいかないようですが、やはり脳が委縮するなんて、考えただけでも恐ろしいと思いませんか?
健康でいたいなら、やっぱりお酒の飲みすぎには、気をつけた方が良いのではないでしょうか。
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