「ばったもん」って「バッタ」関係あるん?
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「ばったもん」と「ほんもん(本物)」
私が息子と話していた時のこと。
少し前に、足が大きくなった息子のために、大きめのクロックスを買ってやったんです。
ちょうど楽天でセールをしていたので、今後の成長を見据えて、1cm大きめのものを。
でもやっぱり新しいクロックスは少し大きくて、いつまでも少し小さくなったサンダルを履いているので、
私「せっかく買ったのに、新しいクロックス履かへんの?」
息子「まだこのクロックスも履けるから。」
私「そう。まぁ、履きにくくないんやったらええけど。そっちは『ばったもん』やけど、
新しいのは『ほんもん(本物)』やで。」という会話になりました。
すると息子が「『ばったもん』って、『バッタ』のもん?『バッタ』関係あるんやろか?」というので、今日は「ばったもん」と「バッタ」が関係あるのかということについて、調べてみました。
「ばったもん」って何?
そうそう、私たち関西人には日常の言葉ですが、「ばったもん」って、他の地域でも使われる言葉なんでしょうか?一種の方言だといけないので、一応説明しておきましょう。
「ばったもん」というのは、きちんと辞書でひくと、「正規の流通ルートで仕入れていない、正規品」と出てきます。つまり商品自体は違法でも何でもない、販売可能な商品ですが、例えば使用期限が切れているとか、期限切れ間近な商品や、包装だけが劣化したりつぶれたりして、見栄えの悪くなった商品、企業の倒産のために流れる倒産品などがこれにあたります。
こういった商品は、売って現金にかえるため、格安で販売されることが多いです。
ちなみによくニュースなどで摘発される、ブランド物の偽物などの商品は、「ぱちもん」や「ぱっちもん」と言って区別されます。
関西では特に、盗む・くすねるなどを「パチる」といいます。借りたままになることを「借りパチ」なんて言ったりもします。そこから、より悪いイメージが「ぱちもん」となったのでしょうかね(※個人的感想です)。
いろいろと書きましたが、実際に私たちの周りでは、「ばったもん」と「ぱっちもん」は、ほとんど区別なく使われます。好きな方を使っている感じです。ブランド品の違法な偽物も「ばったもん」だし、「BOSS」Tシャツのパロディで「BOZU」のTシャツも「ぱっちもん」です。好きな方を使います。
ちなみにちょっとおしゃれに偽物である「ぱっちもん」のことを言う時は、「イミテーション」なんていう言葉を使っている奥様を見たことがあります。
「ばったもん」の語源は?
それでは本題の「ばったもん」と「バッタ」が関係あるのかどうか?ですが、語源を調べてみると、もともとは古道具商が隠語で使っていた言葉「ばった」が由来という説が有力です。
「ばった」とは「投げ売り」のことで、損するのを覚悟で安い値段で販売をすることを意味します。
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さらにこの「ばった」の語源はというと、いくつかの説に分かれます。
・昔行われていた「バナナのたたき売り」という露天商いで、主がハリセンを持って「バンバン」たたきながら売るスタイルの「バンバン」という擬音からきた。
・不況でバタバタと会社が倒産した際、その会社の商品を大量に安く購入し、また販売する業者のことを「バッタ屋」と言った。この「バッタ屋」が扱う商品を「バッタ品」や「ばったもん」と言った。
・戦後の日本において、昆虫のバッタのように、倒産品などで手にした格安品を売りながら、次から次へと店を移転・移動をさせる店のことを「バッタ屋」といい、そのお店が扱う商品を「ばったもん」と言った。
おった!「バッタ」!!
語源に「バッタ」はいたけれど…
確かに、「ばったもん」の語源の中の1説に、「バッタ」はありましたが、個人的見解としては、ここに出てきた「バッタ」は語源というより、先に「ばったもん」という言葉ありきなような気がします。
べつに草むらをぴょんぴょん飛んで、あちこち移動するなら、バッタでなくともウサギでも他の昆虫でも良いように思います。
なので、子供には残念なながら「ばったもん」と「バッタ」は全く関係なしとも言えないけれど、「顔も見たことがないくらい遠く離れた親戚」とでも説明しようと思います。
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