えっ?何?口の中から臭い塊が!
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喉の奥から白い塊が出た!
私がまだ中学生のころ、くしゃみをしたはずみで、舌の上に何かが飛び出してきたことがありました。何かと思い、テッシュに吐き出してみると、白~薄黄色っぽい小さな塊でした。
はじめは、ご飯粒かと思って捨てようかと思ったのですが、ふと潰してみたところ…
「うわっ!くさっ!!」
もう文章では書き表すことができないほどの臭さです。とても食べたものが詰まっていたなんていうものではありません。
いったい何が、どこかから出てきたのかと、すぐ鏡で口の中を探ってみました。
扁桃のくぼみ(陰窩)に潜む白い塊
大きな口を開けて、喉の奥をのぞいてみますと、左右両方に口蓋扁桃(こうがいへんとう)といって、表面に小さなくぼみがいくつかあるところが見えます。
その臭い塊であろうものが、まだ他にもこの口蓋扁桃からポコッと顔をだしています。
実はどうも朝から喉の奥に何やら当たるものがあり、違和感を覚えていたのですが、その正体がこの臭い塊でした。
口蓋扁桃というのは、いわゆる扁桃腺の組織で、外からのばい菌などの侵入を防ぐためにあるリンパ組織の一つです。口蓋扁桃には繊維がたくさん折り重なるようにできていて、外部からのばい菌などがくっつき、私たちの体はそれらのばい菌と闘い、体内への侵入を阻むように出来ています。
口蓋扁桃のくぼみには、こういった闘いで死んだ細胞の死骸や、食べたものの残りかすなども溜まりやすくなっていて、それらがカルシウムやミネラルにより石灰化して塊になります。そうして見えているのが、臭い塊だったのです。
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臭い塊は何か?どうして臭いのか?
私の口の中、喉の奥から出てきた臭い塊は、膿栓(のうせん)や扁桃結石(へんとうけっせき)といわれるものです。
膿栓には、闘いで死んだ細胞や食べかす以外にも、バクテリアがすみついています。このバクテリアは、膿栓として口蓋扁桃に潜んでいる間に、硫黄化合物を生みだします。このせいで、膿栓は臭くなります。
ちなみに石灰化する前は、扁桃腺から唾液とは違う、粘り気の強い粘液が分泌されています。これを膿汁といいますが、その名の通り、膿(うみ)の汁ですので、ばい菌と闘った後に、死んだ細胞が液状になって分泌されているのです。これが石灰化することで膿栓は作られます。そのため、膿栓ができる時というのは、風邪などで扁桃炎を起こしている時や、ちくのう気味の時によくできます。
それ以外に膿栓ができる原因としては、口呼吸の習慣や睡眠不足、ストレスなどが考えられます。
膿栓は取れるのか?
膿栓は先に書いた通り、とてつもなく臭いので、そのままでは口臭の原因にもなりますし、喉の奥に膿が出ている状態ですので、なんとなく喉の奥にエグ味のある感じがして、どうもすっきりしません。
膿汁が舌に付くと、舌苔を作ることもあり、これも口臭につながります。
また膿汁が石灰化して膿栓になると、喉の奥がつっかえた感じがして、これもまた気持ちが悪いものです。
膿栓は、私のようにくしゃみなどで、ふとした時に自然と出てきたり、知らぬ間に飲み込んでいたりする時もありますが、自分でとることもできます。
綿棒や細い棒などで、押すとポロっと口蓋扁桃のくぼみから外すことができるからです。
ですが、残念なことに、膿栓は扁桃腺の中には、無数の膿栓があとに控えている場合が多く、今見えているものを取り除いても、根本的な解決につながりにくいのです。
膿栓の元、膿汁が出にくくするには?
膿栓をできないようにするには、扁桃炎による膿汁の分泌を鎮める必要があります。
そのためには、口呼吸の習慣や睡眠不足、ストレス、ちくのうといった、思い当たるものを改善・治療するのと同時に、風邪などの予防が大切になります。
特にうがいをよく行い、喉の奥を清潔に保つことも一定の効果があるでしょう。
膿栓が出来てしまった時は、自らの体が何かしらと闘っている証拠でもありますので、ストレスの発散やゆったりと心も身体も休めて、リラックスできるようにすることを考えましょう。
むりやり先の尖ったもので膿栓を取ろうとすると口蓋扁桃を傷つけ、出血をまねくこともありますので、くれぐれも注意しましょうね。
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