ハムスターの床材選びとアレルギーとの関係
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ハムスターを飼育する準備
⇐ころん
我が家には今、2匹のジャンガリアンハムスターがいて、日々その愛くるしい仕草や表情に癒されています。
ハムスターは体が小さく、飼育にかかる手間やスペースも少なくて済みます。そのため比較的飼育しやすいペットの一つと言えるでしょう。
飼育に先立って準備するべきものも、専用のケージや水槽、回し車、床材、隠れられる寝床、トイレ、トイレ用の砂、水入れ、エサ入れ、エサといった感じで、それほど高価でもありませんし、アイテムも少なくて済みます。
ところで我が家のハムスターは、いままで元気に過ごしてきてくれているので、飼い主の私も知らずにいたのですが、ハムスターの病気の中で、床材を原因としたアレルギーを発症する子がいるそうなのです。
症状は鼻水やくしゃみ、掻きむしることでの出血や脱毛など、ハムスターによってさまざまです。そこで今回は、ハムスターの床材によるアレルギーについて調べてみました。
ハムスター飼育用の床材の種類
ハムスターは本来、地面に巣穴を掘り、その中に落ち葉などを運んできて生活してきた動物です。じめっとした環境は嫌いで、湿度の少ない清潔な環境を好みます。
私たちがハムスターを飼育する場合、水槽や専用のケージ、ケースを自作したものなどを飼育スペースとして使用することが多いと思われますが、床材にはどのようなものを用いるのが良いのでしょうか。
・ウッドチップ(針葉樹タイプや広葉樹タイプ)
・ペーパータイプ(ペーパーチップタイプや新聞紙、ティッシュペーパーなど)
・綿
・土
・牧草
・コーンチップ
市販で販売されているもので一番多いのは、ウッドチップタイプになります。私も個人的にはウッドチップを使用していますが、チップというよりおがくずのような柔らかく加工されているものです。フワフワとしているので、ハムスターが寝床に運んだ際にも適度に吸湿性がよく、保温性もあります。しかしアレルギー(特に針葉樹タイプ)を指摘する飼い主さんも、多くみられるのがウッドチップです。
ペーパータイプはハムスターによって、上手に床材として活用できる子とそうでない子が存在するようです。活用できないと、巣作りが上手くいきませんので、ハムスターにとってはストレスになります。
↑ くるんの作業風景
アレルギーは発生しにくいという評価が多く見られますが、例えばティッシュペーパーやキッチンペーパー、新聞紙といった水に溶けない紙は、口でそれらを割いたり運んだりするハムスターにとって、誤飲による腸閉塞などを懸念する声も多くあります。
新聞紙については、以前はインクについての危険性もよく叫ばれていましたが、最近では大手の新聞会社は、たいてい大豆由来のソイインクを使用しているため、インクについての毒性は、解消されているそうです。ただ色の白いハムスターには、色移りなどを理由に向かないと言われています。
綿については、以前にも書かせていただきましたが、消化できずに腸で詰まってしまったり、細い繊維が足にからまるといった事故も多く、一般的に販売されてはいますが、使うべきではない素材です。
(関連記事)ハムスターの防寒に綿は使わないで!
土については、てきとうに準備した土は、微生物の観点や湿度等の問題から、使用してはいけません。
牧草については、吸湿性が良いとは言いにくく、ハムスターに最適とはいいにくい素材です。
ただし、後ほど説明させていただくように、アレルギー症状と思われる症状に悩まれた方が、牧草に床材を変更して、治ったという事例もあります。
コーンチップについては食べ物由来なので、アレルギー症状は出にくいように説明されていることが多いです。ただアレルギーはそれに含まれるたんぱく質がアレルゲンになるのであれば、アレルギーを発症してしまう可能性はあると言えます。また食べ物ということで、カビや虫の発生などの懸念はあります。
アレルギーと床材
⇐ころん、お気に入りの場所でリラックス
ハムスターの床材として一番手に入りやすいウッドチップタイプ(おがくずのような素材)には、本当に多くの種類が存在します。
物としては、実験用動物の飼育データからも、ハムスターの飼育には最適という評価があるのですが、質の悪いものでは、硬く先の尖った塊が混入されているものも多くあります。
このような物は、ハムスターが気付かずに目などを怪我する原因となりますので、取り除いて使わないようにしなければなりません。
またアレルギー症状の一番多い症状は、くしゃみや咳のような呼吸症状です。これらは床材を入れる時に、木くずの粉をふるい落としてから入れてやることで改善されることが多くあります。
次に多いアレルギー症状は、皮膚炎の症状です。かゆそうに掻きむしり、赤くなったり、出血してしまったりと、見ていられないほどかわいそうだと皆さん言われます。
獣医さんのお話によると、アレルギーによる皮膚炎の症状の半分以上は、床材由来ではなく、ストレスによるものとお話されていました。
獣医さんのお話「本当にアレルギーなのか?」
⇐神経質なくるん
私がお話を聞いた獣医さんは、ハムスターの診察数はそれほど多くないと言われていましたが、知り合いの獣医さんとのつながりでこんなお話を聞いたことがあると言われていました。
「呼吸や皮膚のアレルギー症状ではないかと診察にやってきたハムスターを診ても、明らかなアレルギー原因はわからないことがほとんどです。しかしよく見られるのは、まだそれほど人間の手に安心していない子が多い。飼育場所はどうか?騒音の問題や日当たり、温度や湿度、床材の交換方法の間違い、普段の接し方などを伺うと、まだ慣れていないのに必要以上に触ろうとしていたり、とにかくハムスターにとって安らげない環境が目に浮かぶ飼い主さんが多い。でも私たちにとって、この一回の診断で、そこまで深い日常の様子は理解し得ないので、アドバイスに困ることも多い。結果的に目に見える症状の改善を目指すお薬を出すが、治らないといわれることも多い。」
つまり本当に床材のアレルギーなのか?と獣医さんの側でも戸惑うことがあるのだそうです。もちろん全てのハムスターに床材でアレルギーは起こらないと言っているのではありませんが、ハムスター目線でのお世話を見直してみるということも重要なんだと感じながら、お話を伺いました。
確かに、ハムスターから見た私たちって、「進撃の巨人」の巨人を見た人類そのものですもんね。「この人間は安心していて大丈夫」と心を許せるようになるまでには、時間がかかるのです。
ハムスターとストレス
先に書かせていただいた通り、ハムスターがストレスと感じることは、そのハムスターによって違います。ですが私たちが勘違いしやすい間違いを、いくつかご指摘いただきました。
飼い主によく噛む子は、まだまだ怖がっているか、不満なことを飼い主がしてしまっているかなので、よく振り返ってみることが大切です。
・しょっちゅうケージを覗く(ハムスターは視線を感じます。)
・触りすぎる
・掃除の際にキレイにしすぎる(特にお迎えして間もない場合は安心できない)
・ハムスターがせっせと寝床に隠した餌を、すぐにキレイに片づけてしまう。
・ケージ内のレイアウトをしょっちゅう変更する
・写真を撮る時の光や音
・長時間の部屋んぽ(慣れていない時)
・騒音がうるさい(テレビの側など)
ハムスターがかわいいので、つい飼い主としては一生懸命お世話したくなるのですが、特にお迎えしたばかりのハムスターにとって、知らない人間は恐怖以外の何ものでもなく、環境になれるだけでも大変なのに「もう限界~!」となる子がいます。そのような場合に何かしらの症状が発症する可能性が高まるそうです。
床材を変えてアレルギーと思われる症状が軽減されるのは、本当にアレルギーであった場合と、その素材の方が人間の臭いが紛れる場合が考えられます(マスキング効果)。新聞紙や牧草などは、においが他の素材より多く感じられるので、それほど人間の存在を気にしなくて済むようになるとか。獣医さんもこれは仮説ですが…と笑われていましたが。
ハムスターにとってストレスは、人間と同様、体の抵抗力が落ちてしまったり、ホルモンバランスが崩れてしまったりと、やはり元気がなくなる原因になるのです。驚いて死んでしまう子もいるくらいですので、臆病だということは、肝に銘じておきましょう。
ズバリ床材は何がおすすめですか?
⇐先代のパンタ
色々お話を聞いた後で、獣医さんとしては床材には何がおすすめかを聞いてみました。
「ほとんどの子は、最初に試す床材はおがくずタイプのウッドチップで大丈夫でしょう。アレルギーはアレルゲンとなるタンパク質が体に入って起きる症状ですので、アレルギーのある子はその素材は使わなければいいことです。もし合わない場合に、他のものを検討すればいいです。まずは人工物より自然の物で。
それより床材を敷いてあげる量も大切です。もぐりこめるくらい、たっぷり敷いてあげることは、ハムスターの習性に合っていますし、怪我予防にもなる。ただし先が尖った硬い木片が入っていたら、それは危険なので入れないようにしてあげてください。あとはハムスター目線の飼育方法ですね。安らぎを与えてあげてくださいね。」
獣医さんでもアレルギーの特定は難しいようです。でもハムスターを飼育されている多くの方から針葉樹のウッドチップはアレルギーが出やすいという情報がありますので、初めてハムスターをお迎えする場合に心配なようなら、広葉樹のウッドチップで様子を見てみると良いかも知れませんね。
ハムスターのような小さく寿命の短い生き物については、アレルギーを始めとして、獣医さんでもまだまだ分からない時が多いそうです。そんな中で、私たち飼い主ができることは、ハムスターの特性などをよく勉強して、短い命を、この家で過ごせて安心でき、幸せであるようにお世話してあげることではないでしょうか。
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