ハムスターセラピーの効果について
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動物セラピーって聞くけれど、ハムスターでも効果はあるの?
「癒し」という言葉は、実は奥が深く、単にメンタル面だけでなく、体の傷や病気の治癒や改善をも含めたアバウトな言葉です。
そんな中、「癒し」に対して対極にあるのが「ストレス」。このストレスにより心身に現れた様々な症状を癒すことを目的として、動物セラピーというものを聞いたことがある方は、今の社会、非常に多いのではないでしょうか?
我が家もその恩恵にあやかる体験をした家族の一つです。
娘の心にヒビが!?登校拒否のピンチ!
いつも我がまま気まま、母親の私に頼りきりのあかんたれ娘。でも元気で誰とでも仲良く、まじめに学校生活を楽しんでいた娘に、異変が起きたのは、ちょうど娘が小学5年生だった9月のことでした。
学校には4月から、娘にとって苦手なタイプの先生がいました。そのことはもちろん、娘の話から知っていましたが、担任ではないし、特に深く気にしていませんでした。
ところが9月頃より、学校では「音楽会」の練習が始まり、5年生全員の合同練習の時間が多くとられるようになりました。その際、もちろん娘の苦手な先生も、毎回顔を合わせることになりました。
その先生の指導方法は、大変気難しいというか、子供達にとって筋が通らず、理解に苦しむような内容であったようで、子供の話を聞いたお母さんたちの間でも、その先生についての悪評は飛び交うようになっていました。
そんなある日、登校に気乗りしない娘が、靴を履こうと、玄関へ向かう際、足が震えて前に出せなくなり、涙がこぼれ、むかつきから、トイレで嘔吐するという出来事が起こりました。
初めは何かの病気かと思い、すぐに近所の小児科を受診しましたが、お医者さんでは、特にどこも異常は見当たらないという診断。
そこで、とりあえずは私が送り迎えをしたりすることで、なんとか登校していました。でもいよいよ娘の様子はおかしくなっていきました。
とにかくすぐに学校のことを思い出し、不安になり、涙を流す。特に日曜日の晩は大変でした。翌日学校へ行かなければならないことがストレスになるのか、ため息をついては涙を流すの繰り返しで、家族全員暗~い雰囲気です。
いったいこんな日々がいつまで続くのかと、親子共々、とにかく不安山積みの日々を過ごしていました。
娘の心の支えであり、家族の救世主パンタの存在
我が家では、ちょうど同じ年の7月ごろ(娘が調子を崩す2か月ほど前)から、ハムスターをお迎えしていました。パンタといいます。
ハムスターは非常に臆病な動物で、初めは怖がって、なかなかの勢いで噛みますし、本来慣れるまでの期間は、そっとしておいてあげないといけない動物です。
我が家でも、パンタがストレスを抱えないようにと、しばらくは無理に触るのを避けていましたが、ちょうど娘の調子がおかしくなったころから、随分パンタが私たちに懐いてきて、娘の手の平のうえで眠ってしまうほどになりました。
娘は朝に夕に、パンタが起きてくると飛んで行ってパンタと触れ合いました。
娘にとっては辛い日々が続く中、娘はもちろん、私たち家族全員がパンタを可愛がりました。毎日「もういよいよ完全に学校へ行けなくなるのではないか」と不安に感じていましたが、パンタの可愛らしい仕草は、私たちにひとときの明るさを与えてくれました。
娘の勇気と担任の先生の献身、その結果
娘にとって、苦手な先生の振る舞いが、どうしても納得いかず、音楽会の合同練習で、理不尽に叱られる同級生の姿を見るにつけ、いつかは自分も同じ目にあうのではないかと恐れてきた日々。
でも親である私が、そのことを担任に相談するのをひどく嫌がりました。報復されると思ったのでしょう。
体調を崩しているのに、病院の検査ではどこも異常はなく、吐き気や涙、そして頭痛に悩まされる日々が続いていました。
でもそんなある時、娘は自分の口で、担任の先生に、その恐れている気持ちを伝えることができました。それは先生が交換日記を提案してくれたことがきっかけでした。
いつものように、ひざにパンタを乗せ、愛おしそうに撫でながら書いた交換日記には、「いつも無実の罪で牢屋に入れられるような気ががしています。」と、小学5年生とは思えないような、身を切り裂くような思いが表現されていました。
この告白をきっかけに、担任の先生が具体的に配慮してくれ、その先生の授業の時だけ、保健室に公認避難させてくれる策をとってくださいました。
何か月かこの調子で、学校生活を乗り切った娘。でももうすぐ3学期が終わろうという2月のある日、娘は自分から、苦手な先生の授業も出席すると先生に切り出したのです。
理由は、自分が保健室に避難したり、きちんと授業を受けてないと、担任の先生の学校での評価が下がるんじゃないかと考えたからだそうです。(気が回りすぎな気がしますので、もしかすると友達から何か言われたのかもわかりませんが。)
「自分は苦手な先生のせいで、こんな辛い思いをしているのであって、決して担任の先生には悪いところなんてない。むしろよくしてもらっている。自分がこのような中途半端な状態でいることが、担任の先生の悪い評価につながることは、がまんできない。」そう思ったそうです。
その後は、本人の申し出の通り、毎日頭痛薬を服用しながらの辛い日々ではありましたが、きちんと登校し、授業もきちんと受けるようになりました。そして小学校の6年間を無事終了、無事卒業することができました。
頭痛については、その後もしばらく続き、ようやく今年中学2年生になって、5年生のこの経験に起因する頭痛は、ほぼ起きなくなりました。うれしい限りです。
最愛のパンタの死を乗り越えて
パンタは、娘や私たち家族の辛い時期に本当に癒しを与えてくれました。
しかしご存知の通り、ハムスターの寿命は短く、およそ2年半~3年。パンタもその例外ではなく、2018年1月9日にその生涯を閉じました。しかし奇跡的に私と娘のいる時に手の平の上で息を引き取り、奇跡的に家族全員がまだパンタの体温を感じられるうちに帰宅し、お別れをすることができました。
心配だったのは、娘がパンタの死を受け入れられるのかということでしたが、「パンタのためにも、がんばる!」と言ってくれ、その言葉通り、もう後戻りすることなく、強くなってくれました。
ハムスターの動物セラピー効果
動物セラピーのことなんて、きっと偉い先生方が、たくさん研究されていると思いますが、我が家のパンタが娘の心の癒しであったことは、そばで見てきた私が一番自信をもって断言できます。
ハムスターのような小動物は、私たち人間の愛情を込めたお世話がないと、その短い寿命を幸せに全うすることはできません。
簡単で安価に飼育できると思われている方も多いかも知れませんが、そんなに単純ではありません。生き物ですから、幸せにしてあげる義務が飼い主にはあるのです。
その点を理解し、きちんと基本的な飼い方を学んだうえでお迎えし、大切に可愛がってあげたなら、それはそのまま私たち人間に大きな癒しとなって返ってくることでしょう。
私自身、娘に負けず劣らず、ハムスターにはまってしまった者の一人です。パンタ亡き後、今現在は2匹のハムスターをお迎えし、可愛がっています。
ハムスターには癒しの効果があります。その癒しは、時に私の娘のように、人生をも左右するほどの大きなものになることもあるということを、皆さんにお伝えするために、記事にさせていただきました。
ハムスターを飼おうかと悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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